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女性ホルモン(エストロゲン)と骨粗しょう症

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女性ホルモン(エストロゲン)と骨粗しょう症

骨量減少のメカニズムとその治療を中心に

女性ホルモン(エストロゲン)と骨粗しょう症 ―骨量減少のメカニズムとその治療を中心に― 今回は女性ホルモンと骨量減少の関係についてお話しましょう。  骨粗鬆症は整形外科や内科の病気というイメージが強いと思われがちですが、女性ホルモンと深く関わりがありますので婦人科医の役割が大変重要です。骨粗しょう症は閉経後、10年位してから起こる【遅れて出現する更年期障害】と言われています。そしてその患者の8割が女性です。

骨は、古い骨を溶かす破骨細胞と新しい骨を作る骨芽細胞の働きによって日々新陳代謝を繰り返しています。エストロゲンには破骨細胞を減らして骨芽細胞を増やす働きがあります。 女性の骨量は思春期から20歳頃に最大値になります。そのまま40歳台半ばまでは骨量が保たれますが、エストロゲンが低下するカーブと同じように閉経後の骨量は急激に低下して骨粗しょう症のリスクが高くなります。その速度はかなり急激です。

最近では、エストロゲン製剤の選択肢が増え、より安全に骨粗しょう症を治療することが可能になってきています。それぞれの製剤は血中エストロゲン値が一定の値を維持できるようになっておりますが、特に貼付剤やジェル剤は吸収に個人差が少なく、肝臓での初回通過効果がないので、長期的に使用しやすい製剤です。 その中でも経皮吸収型ジェル剤(ル・エストロジェル)は有意に骨密度を増加させ、骨代謝マーカーの低下を認めています。また体に塗って吸収してくれる簡易性が特長的です。

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尚、経口エストロゲン製剤で増加する静脈血栓症のリスクは経皮吸収型エストロゲン製剤(ジェル剤)では増加しないこともわかっています。

骨粗しょう症予防目的では47~48歳位よりHRTを始めて、60歳までに骨量をいかに備蓄するかがポイントです。経皮吸収型エストロゲンは椎体骨やその他の骨の骨密度を有意に増加させますので、当然骨折予防に繋がります。閉経後の人生は40年近くあるのですから、HRTとして特にル・エストロジェルは早めに一定濃度を得られることや副作用のことを考えると便利な方法だと思います。

 

written by
院長 山口 幸俊