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生理痛(月経困難症)でお困りな方へ

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生理痛(月経困難症)でお困りな方へ

生理痛のひどい女性は超低用量のピル、ヤーズを飲む事でほとんど軽快します。日本では月経困難症治療の為だけの保険診療薬のスタンスですが、他にも色々なメリットがあります。

 

 ヤーズの特徴

①  成分は
・ エチニルエストラジオール(女性ホルモン)(EE)20μg
・ ドロスピレノン(黄体ホルモン)3mg
の配合薬で、超低用量ですので飲み始めのムカムカなどのマイナートラブルが少ないです。

② 同じ理由で血栓症のリスクはごくわずかです。

③ ドロスピレノン自体が生体内の自然成分に近いので副作用が出にくいです。

④ 最も重要な副作用としての問題視されている血栓は、ドロスピレノンの持つ抗ミネラルコルチコイド活性から血圧の低下に基づいてそのリスクが低くなります。

⑤ 男性ホルモン(テストステロン)の作用を抑える事により、にきびや多毛によく効きます。

⑥ 米国産科婦人科学の診断基準では月経前症候群(PMS)のもっとひどい状態の月経前不快気分障害(PMDD)には、ヤーズのみがその有効性が示されていますし、私も以前からその有効性を確かに感じています。おそらくは卵巣ホルモンの変動を安定化させる事で心身の変化を一定化するからだと思います。

⑦ 欧米では避妊の目的でも使用されていますが、日本では保険薬として生理痛を治す適応しかありません。

⑧ 手足のむくみ・乳房の圧痛にも、利尿効果のあるドロスピレノンを含有しているLEP(治療用の低用量ピル)がよく効きます。

<ヤーズのまとめ>

 欧米では、にきび・手足のむくみ・PMS・PMDDの治療や、避妊の目的として認可されていますが、残念ながら日本ではあくまで月経困難症の治療薬としてだけ、保険が適応されます。

 

第5世代の黄体ホルモン、ドロスピレノンが入っているピル(LEP)について

 その代表はヤーズですが、以下の黄体ホルモンを含むOCはいずれも40年以上前に欧米で発売されているものです。

・第1世代(ノルエチステロン)
→ エリオット・オーソM・オーソ777・シンフェーズ・ノリエール・ルナベル等
・第2世代(レボノルゲストレル)
→ アンジュ・トライディオール・トリキュラー・リビアン等

上記2つの古い黄体ホルモンとヤーズのドロスピレノンには歴然とした違いが4つあります。

① アンドロゲン作用(ニキビ、むくみによる体重の増加、食欲亢進、男性化症状)がありません。
② 逆に抗アンドロゲン作用(ニキビの改善、むくみの改善)を有します。
③ 抗ミネラルコルチコイド活性によって、血栓症のリスクはごくわずかです。
④ アルドステロン拮抗作用がある事によって血圧降下の作用があります。

OCの世代によってこれだけ主作用と副作用に差がある事を考えると、第1世代と第2世代のOCについては、発売より40年以上もたっていますし、ドロスピレノンに至るまでのプロセスのOCですので、現在では不要であると思います。

 

ニキビの改善について

 私が開業医となった18年前より、色々な手法(皮膚科的な薬剤・美容外科としてのフォトセラピー・ケミカルピーリング等)を行ってきましたが、月経前症候群(PMS)における、生理前の肌荒れ・にきびや、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)におけるにきびは、あくまで女性ホルモンに基づく疾患の症状ですので、上記のような手法では改善しないことがほとんどです。
当院では、ドロスピレノン含有のピルのみが、これら疾患のにきび症状には効果的であることを、ヤーズ発売からの6年間で実証しております。

written by
院長 山口 幸俊